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田舎在住マンガ家艶々の日常など
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Posted by sitomi - 2023.10.21,Sat

神楽坂の和可菜。
ここの日記でも十数年前に記事を書いたかもしれない。
一時この和可菜に頻繁に泊まっていた。双葉社でたくさん仕事をしていたころ。
ここでネームを書いて、担当さんに来てもらって、またネームを直して…
というエラソーな風に聞こえるけども、単に趣味であった。
昭和の和風建築はもうたまらない魅力がある。
そして当時この和可菜にはももちゃんという猫がいた。
といっても、僕が定宿にして数年経ってからやってきた子猫だ。
夜寝ていると、廊下からふすまをカリカリしてきて、中に入れろと言ってくる。
仕方ないのでいれてやると、十分ほど暴れまわったあと布団に入って寝てしまう。
そんな体験のできる宿が東京の新宿区にあったのだ。

母親を連れて泊まったこともあった。
アシスタントも数人連れて泊ったりした。
やがてそのうちの一人の女子アシスタントがものすごくここを気に入って
自分の定宿にしだしたので、僕は別のホテルに鞍替えした。
「奥様」と呼んでいたオーナーがいて、当時ももう齢80は超えていたと思う。
僕もけっこうよくしてもらったが、彼女はもっともっと
ずいぶんとその奥様と仲良くなったようだった。

やがて奥様も亡くなり、和可菜は人手に渡ったようだが
結局、建築家の隈研吾氏によって手が入り、また宿泊施設となると聞いた。

でももう泊まることもない。
あの宿はあの奥様によってあの空気が作られていたし
ガワは同じでもデザイナーと呼ばれるような人が入った建物は
いくら似ていても全然別物になるだろう。
もちろんそれも悪いことではないけども。

いまは毎回ドームホテルとメトロポリタンを行ったり来たりで泊まるようになった。
身分相応に安い部屋でお世話になっています。

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