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田舎在住マンガ家艶々の日常など
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Posted by sitomi - 2021.01.25,Mon


2020年2月20日GR1vで撮影

昨年2月、コロナがそろそろ増えてきそうだ、ってタイミングで北海道に行っていた。
僕らが通過した翌日に南富良野でクラスターだかの集団感染が発覚し
いよいよ札幌がヤバいかも、っていうタイミングで北海道を脱出した。
毎年恒例の冬の旅だったんだけど、もちろん今年はもう行く予定はない。

その旅の中で無念な思い出が残っている。それは道中立ち寄った浦河駅。
浦河駅は日高本線途中駅で、その日高本線は2015年の連続した暴風雪によってそこら中で被災し
直そうにも赤字のローカル線に加えて苦しい経営のJR北海道、復旧の見込みが立たずに
ずっとバスでの代替輸送が続いている。そしてこの旅の頃には2021年での廃線が噂されていた。
大体こういう噂が出たらもう間違いなく廃線になる。
増毛線も夕張支線も札沼線も、僕みたいにアンテナを伸ばしてない人間でさえわかるくらいに
廃線の噂が聞こえてきたら、だいたいやっぱり2~3年以内で廃線になっていった。
なのでまだ確定する前に、乗りに行ったり、せめて車で眺めに行ったりと
まあ葬式鉄とまで行かなくても(いや同じか)廃鉄まがいのことをしたりしていた。


2020年2月20日GR1vで撮影

まあそして日高本線の鵡川~様似間も、おそらくその運命には抗えなさそうな雰囲気。
なのでせめて駅の写真でも、と、数人で旅してるにも関わらずわがままを言って
日高駅に立ち寄ってもらい、結構な時間を使っていっぱい撮らせてもらった。

浦河駅はこのとき既にもう何年も列車が来てないわけだけど、
でも正式に廃線にはなっていないので「いつかまた列車が来るはず」の駅なのだ。

デジタルカメラでも一応撮ってはいたけどほんの数枚だった

もちろんそんなものは建前上で、(もう)列車が来るはずのないことは解っている。
でもレールはきちんと残っているし、駅としての体裁も残っている。
ここはまだ”生きている“駅だった。

上2枚の写真のようにコンパクトフィルムカメラでも数枚撮ったものの、
本気で撮ったのは6×7中判フィルムのカメラで、かなりたくさんのフィルムを使った。
(といっても1本で10枚しか撮れないのだけど)

いい加減撮って駅を辞した後、僕は静かに満足していた。
廃線の駅を撮ったんじゃない、まだ生きている駅を撮ったんだと。

しかしそのあと間抜けなことで悲劇が起こる。

旅から帰ってきて、撮ったフィルムを現像に出した。
カラーとモノクロで十数本。いつもならモノクロフィルムは自分で現像するのだけど
このフィルムに関しては凡ミスも怖いし、現像ムラを起こしてもイヤだから
写真屋からラボに出してもらったのだ。
そして2週間後(田舎なので)、現像から上がってきて、店頭でフィルムを確認する。
全てのカットでおおよそ露出もあってる。よかった。揚々と店を出る。
その日は天気も良かったのでバイクで受取に来ていた。薄いフィルムの入った封筒を
ジャケットの腹側の中に挟んで自宅まで帰って行った。
けれど、自宅に着いたとき、入れたはずのジャケットの腹側にはなにもなかった。
そう、途中でジャケットの隙間から落としたのだ。

それから店までの道を3往復くらいした。途中で降りて田んぼの中を探したりもした。
この数日春先の風がとにかく強かった。いわゆる春一番みたいな物が吹き荒れていて
そんな風の中だとあんな封筒あっという間にどこかに飛んでいくだろう。
一応交番に行って遺失物届けも出した。ネットで毎日遺失物の届け出のチェックもした。
けれど結局フィルムは見つからなかった。
バイクでジャケットに入れて持って帰る?アホか?なんで?なんでなんで?
ホントにそんなバカなことをしたのかと悔やんでも悔やみきれないが
とにかくフィルムは僕の手元から消えて無くなってしまったのだった。

そして秋頃、日高本線の鵡川~様似間の正式な廃線のニュースが流れる。
ああ!やっぱり!と思う。
そして次に考えたのは、せめて駅がまだ”生きている”うちにもう一度撮りに行かねば!だった。

けれど2020年はずっとコロナ渦でなんとなく旅するのが憚られ、しかも札幌は
結構な感染者数だった。とにかく家族に反対されまくり、結局年内に北海道に行くのは断念。
それでも廃線予定は2021年の11月となっている…年が明ければ…春になれば…と思っていた。

けれど1年前の札沼線がそうであったように、日高本線もコロナ渦により繰り上げ廃線が
決まった。2021年の4月1日付けで日高本線は正式に廃線となる。
そして冬になってコロナ渦はより一層過酷な状態になってきている。
もうおそらくその日までに行くことは叶わないだろう。
残念だけれど、次に行って見ることそして撮ることが出来るのは日高本線の遺構でしかない。

まあそれでも多分行くけどね。


この一連の出来事で教訓として得たことは
フィルムを受け取るときは車で行けと。…うん。


というわけでマンガと何の関係もないはなしを日記代わりに書かせてもらいました。
さて「しおりの日記」第3巻が来週発売です。
それについてはまた書きましょう。



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Posted by sitomi - 2021.01.16,Sat

ツイッターにもアップした絵。
1,2月から連載が始まるキャラたち。
左から1人,3人,2人の組み合わせ。
正確には1本は新連載ではなく、連載再開で「黄昏のエトス」。
第1部が終わって第2部は雅美ちゃんのおはなし。
先生バージョンよりもかなり暗めなお話だと思うのでそのつもりでいてもらえると助かるかも。
ヤングチャンピオン烈で2月から連載開始。

そしてもう公開されてるけど「僕と私とママの夏」。マンガクロスにて無料で読めます。
これ、ネームを作り始めたのは一昨年だった。ようやく日の目を見るのだ。
と言っても全部僕のせいですそうなのです。担当さんすいません。そしてありがとうございます。

そして一番右の二人は原作なのです。作画は僕ではないのです。
なのでこの絵になるかどうかわからないのだけどこんな絵でネームを切りました。
タイトルは昨日決まって「後部座席のクロノセンパイ」ちょっと長いタイトル。
クロノセンパイと青少年のさわやか話。ヤングキングで2月から各号連載開始です。

あと、「しおりの日記」の単行本が今月もうすぐ発売で
「落日のパトス」10巻は2月発売です。共によろしくお願いします。

やーそんなこんなでやることいっぱいで
正月は31日と1日だけ本気でなにもせず酒を飲んで過ごして本気で休み、
2日からはアパートに一人籠もって10日間ずっと仕事していた。
正月気分は1日だけだった。まあどうせコロナ渦でどこにも行けない行かないし。

まだまだネームが追いついて無くて気分的には焦っている状態。
でもバイクにも乗りたい写真も撮りたい現像もしたい。
やりたいことだらけの年の始まりだなあ。

なんにせよどうぞ今年もよろしくお願いします。

Posted by sitomi - 2020.12.30,Wed
エクスプレス銀河に乗車したときの様子を動画にしてみました。



もうすこしちゃんと作りたかったんですが時間がなくてこんなかんじに。
まあ長すぎてもアレなので…。
ちょっと編集ミスって音がでかいので気をつけてください。

このあと出雲大社いったり一畑電鉄乗ったり、夜ホテルでネームやって
その翌日は特急と新幹線で京都へ移動して資料写真撮って、またホテルでネームして…
そんな動画も撮ったんだけど需要がなさそうなので(笑)
最近はいつかなにか資料になるかな、とよく首からGoProぶら下げて旅してます。
Posted by sitomi - 2020.12.30,Wed


大晦日から雪だというので、29日の今日走り納めのつもりで走り回ったあげくに近所の寺へ寄る。
誰もいないだろうと思ったのにわりと寺を眺めに来てる人が多くてびっくりした。
コロナでどこへも行けないあげくの田舎の寺だろうか。名古屋ナンバーとかあったし。
一応東海地方では珍しい即身仏があるお寺なので、希少性は高いのだ。

帰って早々にネーム。と同時進行で勧めているリイド社「かきすて!」の仕上げ。
仕上げ作業はスタッフも自宅に戻ってのリモート作業なので仕事場は誰もいない。
まあだからこうして抜け出してバイクとか乗ってるわけだ。まあ居ても行くけど。

ちょこっとだけ参加してあとはパトスの次回のネーム。
一昨日いちおう上がったんだけどアシ子に見せたり担当さんと相談してて
どう考えてもテンポが速過ぎるので後半3分の2全部書き直し。
「たと母」の美晴さんが出てるわけだけどそのおかげかなかなか進まない。うーん。
思い入れもあるのかな。

で、年内でゴラクスペシャルの「しおりの日記」が完結したのだけど
その最終巻となる第3巻は2月発売予定。その作業は終わって何より。

で、来年の2月くらいから新連載が2本始まります。
さらに、原作としてもう1本新連載も。合計3本。えらいこっちゃですよ。



その資料写真を撮りにも行ったりして。
これは近鉄の弥富駅前。この辺をベースに展開される漫画があるわけですな。

パトスもほんとは取材に行きたかったけど当然行けるわけもなく
以前行った場所で資料がそろってるところでなんとかしている感じ。
今回の舞台になっている肘折温泉はとても良かった。ちなみにここへ行く前に
銀山温泉にも行っていたのだけど、観光地然としすぎていて描きにくいのでそっちはなし。
アキ君はどこへ行くのか。それは艶々が写真をいっぱい撮ってある場所なのです…

ちなみにパトスのネームが終わったら晦日をまたいでその新連載の原作ネーム。
正月は酒飲んで寝てたいんだけどなあ。
まあ2020年はこんな年末でしたという記録として記しておきます。

それでは皆さん良い年越しを。
来年もまたよろしくお願いします。
Posted by sitomi - 2020.12.13,Sun

「たと母」画集へのコメントありがとうございました!
ちょっとあれだけ個別に返答してないのは
さすがに過去作で時間が経ちすぎているので、作者としてどうこう言えないのと
他の過去作についても現在進行中の作品がある以上はなかなか手を付けられないのが実情でして
その辺をくみ取って戴けたらと思います。
とはいえ自分の作った作品にそうやって今でも愛情もしくは情欲を抱いてくれるのは
嬉しい限りなので、コメントは嬉しく拝見しておりますということは言っておきたいのです。

というわけで冒頭のカットですが自作の「落日のパトス」にちょっと懐かしいキャラが出ます。
2話くらいは出てくるかな?まあゲストキャラなのでそれほど活躍は期待しないで欲しいんですが
自分で描いててなんだけど存在感がすごくて正直「パトス」を描いてる気がしませんでした(笑)。

また楽しんで頂ければと思います。



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